#おしゃべり#占い#日常#母#海

一生少女

写真と文:濱矢彩生

最高気温25度を超える日が増え、 
私の部屋のクローゼットもすっかり夏模様。 
お気に入りのニットたちを深くにしまい込み、 
涼しげなタンクトップや麦わら帽子を引っ張り出す。 
 
日焼け止めを肌に塗り、その匂いで去年の夏の想い出が蘇っちゃうくらいには私は夏が大好きだ。

近所の海に散歩に行けば、夕日の色がすっかり夏色に変わっていた。 
ビーチサンダルで踏む砂浜、砂浜の奥からする甘ったるい空気。 
今日の海散歩は久しぶりに母とふたりできた。 
 
海岸に続く道の1本前で、
海行くなら寄らないとね。」と言うので
何かと思ってついていったら
小さい頃から海に来ると必ず寄っていた商店だった。 

ビールラバーの母からすると海に行く前にビールを買うのはルーティンのようなものらしい。
お揃いの銘柄のビールを片手に海辺に座る。
 

波打ち際を散歩する大きなゴールデンレトリバーを指さして、
「あ!先週会ったわんこたちだ~!飼い主さんに挨拶してこようかな」 
とか言って、ビールを飲みながらその場から全く動かない母。(動けよ笑) 


海ではこれといってやることがない。

 
だからビールを飲みながら、楽しそうにはしゃぐ子どもたちを眺める。
たまに波打ち際まで歩き、夕日が乱反射するキラキラした海をフィルムカメラにおさめたり。

やらなきゃいけないことで溢れている毎日の中、
この"何もやることの無い時間"が本当に心地よい。
 

ぼーっと考え事をする。 

海に1人(今日は2人だけど)、ぽつんと佇むこの時間。
人間、ひいては宇宙が存在することのふしぎが急に怖くなる時がある。
 

それをあると人に話したら、 
"私は逆に海に入ったり、森に身を委ねたりとか
自然の一部になる瞬間は 、
「あー、一緒になれてるな」って気持ちで安心できる"
 と言っていた 
 
それは私には全くない感覚で、かなり衝撃的だった。 

私もいつか死ぬことを受け入れ、
地球に生きていることを安心に思う日が来るのかなー。とか
ぼんやり考えていたら
(海にいるとつい規模の大きいことを考えがち)

横にいる母親が「もう一本ビール飲みたい!」と言うので
またさっきの商店に戻った。
 

 

「あんな綺麗な夕日目の前に、わざわざ商店に買いに戻るウチらやばいよ笑」 
「でもさー、海で飲むビールは別格だから、ね!」 

とかなんとか話して向かった商店は19時で閉まってた。 
 
「これはもう帰れってことだよ」 
「そうか〜じゃあ、家で飲み直そう!」 

私の母ってほんと明るい。 

いつの日だったか、
横浜の中華街で手相占いをしてもらった時のことを思い出した。

私の手に虫眼鏡をあてて
「あなたは一生少女、いくつになっても少女です。」と中国の方に言われた。 

その時は友達と爆笑して終わったけれど、
母を見ているとその占いも当たっているような気がする。

その日は結局母と深い時間まで晩酌をし、
私の小さい頃の話とか母の学生時代の恋愛の話なんかをして、
宇宙のことなんか何も考えずすやすや寝た。 

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