スパイスの満足
写真と文:ショウジ ミツキ
最近、スパイスからカレーを作り始めた。
動機はもちろんカレーが好きということもあるのだが、
一番は痩せたいからだ。
スパイスには代謝を高めて身体をととのえる効果がある(らしい)。
始めてみると、意外と入り口はやさしくて驚いた。
スパイスを沢山用意しなければいけないイメージがあるが、
基本の「タクコ」と言われるターメリック、クミン、コリアンダーをそろえて
スーパーに売っている野菜たちと合わせれば
それだけで十分おいしいものができる。
もちろん、そこからこだわり始めると果てしない道のりが続くようだ。
バターをインドの「ギー」に変えてみたり、
ひよこ豆を一晩水に浸してみたり…
今自分は、油に香りをつける
ホールスパイスに手を出し始めた段階。
まだまだ初心者だが、カレー作りはとても楽しい。
たまねぎにスパイスで香り付けした油を吸わせて育てていく工程や、
具材の組み合わせで味を作っていく工程など
じっくり育てていくのがなんだか性に合っていると思う。
ダイエットの話にもどるが、
スパイスカレーで痩せられるもう一つの理由が、
少しの量でも満足感が高いため、らしい。
満足感はスパイスの風味によるものだそうだが、
自分はそこに、作る過程も含まれていると思う。
自分の気が済むまで味をととのえる。
複雑なスパイスの風味を楽しむ。
ゆったりとした時間の流れが、
満足を作っている気がする。