復興・防災に向けて地域を支える人々
2024年7月。
今年も珈琲屋台の熊吉(くまきち)と共に、熊本の地に立つことができた。
2022年6月・2023年3月に続き、3度目の復興応援の旅。 今回も、ささやかながらヒトとヒトとの繋がりやにぎわい創出の後押しをしたいという想いを胸に、この地へやってきた。
現地で知った、復興・防災に向けて地域を支える人の存在
震災から8年、豪雨災害から4年。
あの悲惨な出来事はそれぞれの地域に深く刻まれ、未だ残る被害の痕跡や、インフラやハード面の復旧・復興の足跡が散見される。
一方で、防災のため・復興のため・新たなまちづくりのため、必死に汗を流し、住民のために活動を続けている人の存在を知った。
▼益城町社会福祉協議会:冨嶋さん
震災から8年が経った熊本県の益城町で、誰もが安心していきいき暮らせるまちづくりを目指す益城町社会福祉協議会。社会福祉の担い手として、福祉の思いを形に。そして、地域社会で生きる人たちとのつながりを大切にしている。
講話の時間で伺った「被災時、周りの人と一緒に逃げたくても、全然知らない人の言うことは聞いてもらえないんです。」という言葉に深く納得した。だからこそ、日頃の繋がり・関係性構築を大切に活動をされていると仰っていた。
その点RR COFFEEのような存在は、たったコーヒー1杯で人と人との繋がりを生むことができ、その繋がりの拡大には大きな可能性を秘めていることにも気付かせてくれた。まごころ込めた1杯をお届けする意味を感じた。
▼益城役場:奥村さん
益城町「にじいろ」は施設の壁面がレクチャーパネルになっていて、初めて益城町を訪れる人でも、今までのあゆみがわかりやすくまとまっている。
通路を歩きながら、被害の甚大さを痛感した。被災時の様子も時系列でパネルが並んでおり、実体験された奥村さんの言葉でご説明いただいたからこそ、前震から本震までの間の状況や、その前後の街の様子も知ることができた。
▼人吉市社会福祉協議会の方々
2020年の豪雨被害に遭った球磨川流域の人吉市。あれから4年の月日を経た現在も、仮設住宅で生活されている方がいる。
人吉市でも地域支え合いセンターの方々が仮設住宅にお住まいの方と普段からコミュニケーションを積極的に取り、異変があった際にはすぐに駆け付ける準備をされている姿を見た。
今回のRR COFFEEの訪問も、各部屋に知らせて回ってくださった。珈琲屋台に来てくれたお客様からも「いつ来るのかな?と思っていたから、呼んでもらえてよかった」と伺った。
▼仮設住宅に住む方に教えていただいた「見守りサービス」
簡単操作のコールひとつがあることで見守られている安心感があると聞いた。
町役場からの支給で使用しているそうなのだが、コール本体の充電状況なども管理されているようで、充電が少なくなると「充電器に差して、いつでもお話しができるようにしておいてね」といった電話がかかってくるそう。
▼熊本豪雨災害をきっかけに設立された「やっちろ保健室」
地域の包括ケアシステム構築のために、民間団体として活動している「看護のココロ」。その「看護のココロ」の代表を務める蓑田ユキさんが、2020年の熊本豪雨災害をきっかけに設立したのが「やっちろ保健室」。
水害による直接の被害がない地域でも、流域の寸断された道路や生活環境の変化により地域の方々の健康状態の悪化や人口減少によるコミュニティ活動の希薄化が懸念されたその当時から、地域に住まう高齢者の身体とココロを支援する活動を行っている。
県外からやってきたRR COFFEEも、まるで地域の一員であるかの様に優しく包み込み、地域みんなで盛り上がれるような企画を考えてくださった。
高齢化・過疎化の進行に伴う地域住民の繋がりの機会が減少している背景から「地域の自慢の手料理を皆でこしらえ、ふるまい合う」という、住民同士の手作り交流会(in 鶴喰(つるばみ)生活改善センター)にRR COFFEEも参加。
寄合の場所となった「鶴喰生活改善センター」には、今回のイベントを楽しみしていた多くの方々が早くから集合。
坂本町もりあげ隊の宮川さんが育てた鶴喰米、地元のお母さま方が作ってくれたおむすび・お漬物・酢の物・お団子。
お母さま方が目をキラキラさせながら「お腹いっぱい食べな!」と差し出してくださったご馳走たちに、お腹だけでなく心までもがシアワセで満たされた。
参加されている地域の皆さんがとにかく楽しそうで。
目を輝かせながらイキイキとされている姿とその活気が満ちた空間にじんわりと胸があたたかくなった。
自分たちが住まう地域が大切で、大好きで。
だからこそ孤独感を感じてしまう人を生み出さないように、「必ず誰かと繋がっている」という気持ちを持ってもらえるように。全身全霊で地域へ働きかける人々の存在を知った。
前述の通り、私たちRR COFFEEも「ささやかながらヒトとヒトとの繋がりやにぎわい創出の後押しをしたいという想い」で熊本にお邪魔させていただいた。 が、そんな私たちをもまるごと包み込んでしまうあたたかな包容力が熊本にはあった。
まるで里帰りをしたかのような安心感と、たくさんの方が分け与えてくれる惜しみない愛情に「シアワセ」の言葉が腑に落ちた。